●81Pウィルド第2彗星を観測
ようやく冬型が解消した14日、揖斐高原へ観測に行きました。
夕方から快晴となり、多少の風はあるものの湿度も低く、透明度も良好です。
当夜の最大の目的は、やや暗くなりつつある81P(Wild2)=ウィルド第2彗星を見ることでした。
この彗星は6.4年で公転する周期彗星です。
現在は、おとめ座ι星の西側にあり、予報光度は11~12等ほど。
実は、その前日も揖斐川町内で探したのですが、空が明るかったことや雲が流れてきたために見つかりませんでした。
他の観測を終えて、真夜中過ぎ、15cm双眼鏡を予報位置に向けました。
おとめ座ですからやや高度が低く、光害の影響を受けますが、見えないことはないはずです。
星図から予報位置をたどっていきます。
でも、確かにあるはずの位置に見えません。
明るさとしては15cm双眼鏡の限界で、予報より0.5等暗ければ見えませんから、これはやっぱり難しいかなと思いました。
ところが、視野をじっと見つめているうちにおかしなことに気づきました。
視野内の星のひとつがわずかに滲んでいるのです。
もちろんその星は恒星で目的の彗星ではありません。
これはもしやと思いました。
やはり星見に来ていたogawa嬢にお願いして、ルイを貸してもらいました。
ogawa嬢の愛機、ルイは25cmのドブソニアン。とてもバランスの良い機材で非常に良く見えます。
ルイの視野をじっと覗きこむこと1分。
「あった!」
思わず声をあげました。
思った通りでした。
ウィルド第2彗星は、例の滲んで見えていた恒星にほぼ重なっていたのです。
口径が小さく倍率の低い(25倍固定)15cm双眼鏡では、恒星と彗星の分離ができなかったのでした。
10cm口径の大きなルイで見ると、完全に重なっているわけではなく、彗星の中心は1′ほど恒星から離れています。
ただコマは重なっていて、非常に小さな散光星雲を見るように恒星の周囲が滲んでいます。
彗星は全光度11等台後半、視直径2′、DC(中央集光度)4と目測しました。
扇形の尾があるはずですが、恒星と重なっているためかコマがやや偏心しているかなと思えた程度でした。
ogawa嬢がいてくれて本当に助かりました。
15cm双眼鏡だけでは、おかしいなあとは思いながらも彗星の視認はできなかったことでしょう。
過去にも恒星と彗星が重なっていて見づらかったり目測ができなかったことが何度かありますが、今回は彗星が暗いために手間取りました。
北天にあるC/2009K5(McNaught)は明るく、全光度8等、視直径8′ほど、前日も同じような明るさでした。
天の北極近くで、しばらくは見やすい状態が続きます。
