●電波観測とBCL
天文学というと「天体望遠鏡で星を見る」というイメージが強いのですが、実はそれはひとつの観測手段に過ぎず、他にも様々な手法で観測が行われています。
「電波」を使った観測もそのひとつ。
宇宙からは、様々な電波が届きます。
天文学者は、大きなアンテナを構えて宇宙からの電波を受信し、光で宇宙を見るのと同じように電波の目で宇宙の構造を調べているのです。
「望遠鏡で覗く」のと違って、なんとなくとっつきにくいこの電波。
私は、中学生時代に流行ったある遊び、というか趣味のおかげで、電波の基本を理解することができました。
その趣味「BCL」といいます。
海外や国内の放送局の電波をとらえ、受信報告書を送って「あなたは正しくウチの放送局の電波をとらえました」という証明書(ベリカード)を貰うというものです。
電波は、その名の通り「波」として伝わっていきます。波の間隔の長いものから、長波、中波、短波、超短波・・・と呼び名が変わっていくのですが、当時、私が持っていたラジカセで聴くことができたのは、中波と短波、低い波長帯の超短波だけでした。
中波は通常のラジオ、超短波はFM放送と理解していただければOKです。
短波あまりなじみがないのですが、地球の裏側まで届くという特性を利用して、海外向けの放送に多く使用されています。
のめりこむタイプの私ですから、そんなしょぼいラジカセを最大限に活用して世界中の放送局にトライしました。
自作のアンテナを家に張り巡らせ、雑音の中にかすかに聴こえる放送を必死に聴き取り、日本語放送だけではなく英語や中国語、スペイン語局にまで手を伸ばし・・・。
ベリカードの数はどんどん増えました。
南米やアフリカの局、中国の国内向け放送局、また日本国内のほとんどすべての中波局など、あんなしょぼい受信機でよくあれだけがんばったと今でも思えるほどです。
電波に関する本も読み漁りました。
その結果、自然に電波の知識が身についたわけで、その後、天文分野でもその知識は大いに生かされることになりました。
藤橋在住中は流星の電波観測(HRO)をずっと行っていましたが、引越し後、アンテナは取り外したままになっています。
またHROを再開しようかな。
海外放送、今はどんな局があるんだろう。
また聴いてみようかな。
注:電波とは、電磁波のうち赤外線より波長の長いものを指します。
天文学では、通常の放送に使う電波より短い波長の電磁波(ミリ波やマイクロ波)を使用することが多いです。
