●クリムゾンスターが明るい
1月17日の記事に、うさぎ座のクリムゾンスターのことを書きました。
とにかく真っ赤で、これほど赤い星は見たことがない、と。
このクリムゾンスター、どうやら1月末(今ですね)に極大を迎えたようです。
正確には「うさぎ座R」というこの星、イギリスのハインドによって発見され、およそ427日ごとに5.5等~11.7等の範囲で変光しているほか、およそ40年ごとに明るい時期と暗い時期があることがわかっています。
1月下旬の光度は6等台後半と見積もられていますが、先日、見た感じではもっと暗い印象でした。
赤い星は明るく見積もられる傾向があり、変光星観測者の観測データを見ても、1月中旬の光度は7等台を中心にけっこうばらつきがあります。
半月の間に増光したことを考えると、やはり1月中旬は6等台よりは暗かったのではないかと思っています。
この星、スペクトルタイプではC型に分類されています。
有名なOh Be A Fine Girl,Kiss Me!という分類にはC型なんてないぞ!とおっしゃる方もいるかもしれません。
この分類は表面温度による分類なのですが、星をつくる元素の種類によって分類する方法もあり、炭素が特に多い低温度星のことを「炭素星」としてC型に分類しているのです。
炭素星は、表面温度が特に低いことと、炭素のガスが星の表面を覆っていて、青や緑に見える光を吸収してしまうために深紅に見えます。
変光のタイプとしては、くじら座のミラに代表される「ミラ型変光星」と考えてさしつかえありません。
星全体がふくらんだり縮んだりすることで明るさが変わっていて、ふくらむたびに星の表面からは大量のガスが宇宙空間に放出されています。
こうして放出されたガスは、通常は惑星状星雲として星を取り巻くのですが、そうならない場合もあります。
紫外線観測衛星によって、最近、ミラから彗星の尾そっくりなガスが長く放出されているようすが撮影され話題になりました.
この尾は、ミラが宇宙空間を移動するうちに、放出されたガスが取り残されてつくった構造だと考えられています。
ミラの固有運動が非常に速いために、こうした構造がつくられたわけです。
変光星にはこれまであまり興味がなかったのですが、クリムゾンスターについて調べるうちに、星をつくる元素や星の生成過程にとっても興味が湧いてきました。
今度晴れたら、またクリムゾンスターを見てみたいと思います(ちゃんと明るさも目測してみます!)。
また、同じく炭素星であるオリオン座W星、りょうけん座Y星などにも望遠鏡を向けて、どれほど赤いかを確かめてみようとも思っています。
画像:ミラの質量放出(NASA/JPL-Caltech)
