●伝説のクロス流星
最近、火球を見ません。
けっこう観測には行っているのですが、主要流星群の極大日がことごとく悪天候ということもあって、普通の流星もあまり見ていないのです。
見ているのは、望遠鏡流星ぐらいでしょうか。
そんなことを思いつつ古い資料を整理していたら、懐かしく珍しい写真を見つけました。
火球クラスの流星がクロスしているこの写真、撮影当時はけっこう話題になりました。
3回爆発しているのが、やぎ座流星群の火球でマイナス5~6等級ほど、もうひとつがペルセウス座流星群でマイナス2等級でした。
やぎ群の火球は、爆発の度に地面が青白く照らし出され、独特のエメラルドグリーンの色、そしてゆっくりとした速度もあいまって、幻想的な迫力でした。
撮影場所は、東京都青梅市の御岳山長尾平。
1970年代から80年代、東京在住の天文ファンの定番観測地でした。
撮影したのは、私が創立者のひとりである東大和天文同好会。
全国に100名近い会員を擁する、当時、最もアクティブな同好会で、御岳山長尾平はホームグラウンドのひとつでした。
今でこそ流星観測、というより、若い人の間で天文という趣味はマイナーになってしまいましたが、その頃は天文が非常に盛んで、なかでも流星観測は学生にもできる観測分野として、多くの同好会がメインの活動にしていたものです。
この写真、フィルムは「ハイスピードインフラレッド」です。
デジカメしか知らない若い人には「なんじゃ、それ」と言われそうですが、いわゆる赤外フィルムで、赤外域にある程度の感度があるフィルムでした。
赤外フィルムに赤フィルターを併用すると、光害の影響を受けにくいことと、流星の性質として可視光域よりも赤外域で明るいことから、都会地でも流星の写りやすいフィルムとして私たちは愛用していました。
モノクロの写真自体が今の若い人には珍しいでしょうし、ましてや赤外フィルムなんて聞いたこともないという人が多いでしょう。
写真があんまりきれいじゃないのは現像ムラか定着ムラです。
自分で現像したり印画紙に焼きつけたりなんて、今では大昔の話みたいな
気がしてしまいますね。

コメント
こんばんは。
いつも大変お世話になります。
久しぶりに焼き付け。現像。定着。モノクロ。の言葉を聞きました。実は私高校時代、写真化学部でして!モノクロ写真でした!天体写真が主でしたから、懐かしいですよ。
自宅に現像液など、引き伸ばし機もあるので(N博士に譲って頂きました。)、また、再開しようかなあ...!
干場 一志
Posted by: 干場 一志 | 2009年09月12日 20:32
ハイスピードインフラレッド、懐かしいですね。私も高校時代に愛用していました。
眼視等級と星の明るさが違って、赤い星がとても明るく写っていました。
クロス流星も見事ですね!
とくに、やぎ群の火球が見事です。
しし群のような速い流星もいいのですが、ゆっくりとした流星はじっくり楽しめるので好きです。
ところで、私は同時3流星を見たことがあります。それも散在流星がすぐ近くで。今でも信じられない珍しいことだと思います。
1994夏のできごとに書いてありますので、もしよければ、ご覧ください。
Posted by: うちやま | 2009年09月12日 22:05
干場さん、こんにちは。
そういえば元写真部でしたね。
ウチにはまだ現像タンクや引き伸ばし機がありますよ。
当時の写真、デジタル化しておかなきゃなあ。
Posted by: まっちゃん | 2009年09月13日 10:45
うちやまさん、こんにちは。
webページ、拝見しました。
散在の3同時流星、それもすぐ近くというのは実に珍しいですね。私も見たことがありません。
埼玉県庁天文同好会は活発ですね。
というか、私も役場勤務ですが、お役所内に同好会があるというのは珍しいです。
やぎ群の流星は好きです。
独特のエメラルドグリーンの色も、光度変化も。
でも、同じ頃にときおり出現するさそり群は、同じような速度ながら赤い流星が多く、流星物質の組成の違いを感じます。
うちやまさん仰るように、ゆっくりした流星は形状も色も楽しめますのでいいですね。
Posted by: まっちゃん | 2009年09月13日 11:00
こんにちは。
うわわわ、本当にクロスしていますね。
やぎ座…自分の星座の流星群が味のある流星で、単純に嬉しいです。
私も遅い流星の方が好きです。ボケーっと空を見るほうなので。
速いものは反射神経で見ているようで、脳に残らなそうという気がします。
そういえばプラネタリウムの流星は、なぜあのように速いもんばかりなのでしょう。
もうちっと違うタイプは出せないのかしらと思うことがあります。
ウチの一眼といえばフィルムしかないので、未だフィルムで撮影することもあります。
デジタル一眼も欲しいのですが、それでもフィルムは手放す気になれません。
だってデジタルは私が注いだ愛情を余り返してくれないんだもん(笑)。
猫も杓子もデジカメの時代ですが、フィルムには生き物のように魂を感じます。
ハイスピードインフラレッド…未開拓ですが機会があれば撮ってみたいです。
その前にフィルム一眼の使用頻度を上げねば。
Posted by: K.Ogawa | 2009年09月14日 11:36
ogawaさん、こんにちは。
私はみずがめ座生まれです。
みずがめ座流星群というのもあって、やぎ群と同じ頃に活動するのですが、数はやぎ群よりも多いものの、流星の性状はまことに単調で、明るくもなければ光度変化もないものがほとんどです。
うー、つまらん。
プラネタリウムの流星、回転シャッターを使っているものは、回転の速度を遅くすれば遅い流星も映せますが、光度変化もなく性状も一定でつまらないですね。
これだけ技術が進歩しているのですから、プラネの流星も、実物のようにさまざまな性状・光度のものをランダムに投影できると面白いのにと思います。
フィルムカメラで撮影の心意気、良いですねー!
たしかにフィルムには魂を感じます。
デジタルと違って、さまざまな要素により撮影結果が変わってくる意外性に楽しみを感じますし、職人芸の余地がありますね。
フィルムカメラ、大切に使ってあげてください。
私も使おう使おう!
職人芸といえば、プリントの際、月の欠け際を描写するために、それこそ職人芸の覆い焼きをしていたことを懐かしく思い出しました。
え?覆い焼きって何だって?
画像処理のトーンカーブ調整をアナログで行っていた処理・・・なんですが、なんのことやらわかりませんね。
そのうちブログに書きます。
Posted by: まっちゃん | 2009年09月14日 13:00