●快晴の皆既日食!期待ふくらむ前夜の星空
日食航海中は一昔前、いや、50年ほど前まで時代を溯ったかと思うほど情報から遮断された毎日でした。
ツアーに申しこんだ時点では、携帯電話はともかく、船上でもネットはつながるだろうと思っていたのですが、実際は携帯電話はもちろん、ネットも使えず、テレビも見えず、新鮮な情報を得ることはほとんどできませんでした。
そんな状況下で、私たち乗客の最大の関心事は何かといえば、もちろん天候です。
姫路港出港時は今にも降り出しそうな曇天。
日食の前日になっても、雨こそ降らないものの、いっこうに晴れません。
唯一の天気に関する情報源は、ホワイトボードに定期的に貼り出される天気図と衛星からの雲画像でした。
日食が近づくにつれ、ホワイトボードの前は常に人だかり状態。
日本列島を縦断する雨雲を見てため息をつく人、あくまで強気の予想を崩さない人などさまざまです。
特に前日の夜に貼り出された天気図と衛星画像は、私たちをがっかりさせるものでした。
それまで比較的北にあった前線が、日食当日はぐっと南へ下降し、それに伴って雨の範囲も南下する予報だったのです。
予報通りとすれば、明日の天気は絶望的。
晴れ男の私も、このときはさすがにダメかなと弱気になりました。
トカラ列島は大雨、上海も悪天候らしいという情報が伝えられ、ますます弱気に拍車がかかります。
その晩、そろそろ就寝する時刻が迫ってきたころ、ふと感じるものがあって船首甲板に向かいました。
ドアを開けると強い風が頬を打ちます。真っ暗な船首甲板に出て空を見上げると・・・。
いきなり雲のような天の川が目に飛びこんできました。
緯度が低い分、いて座やさそり座が驚くほどの高さに見えています。
北半分は曇っているものの、船の進行方向の南天は(こういう表現はしたくないのですが)、それこそ「プラネタリウムのような」星空です。
緯度が低い上に水平線まで見えるため、おおかみ座やケンタウルス座といったふだんは見ることの少ない星座がよく見え、これまた月並みな表現で恐縮ですが「傾斜式プラネタリウム」で見る星空のよう。
周囲は見渡す限り海ですから、光害はまったくありません。アンタレスが木星のような明るさで輝いています。
アンタレスの西側を、ちょうどアンタレスと同じ赤い色をした流れ星がかすめます。
赤っぽくて火花を散らすようなプロフィールの典型的な「やぎ座流星群」の流星です。
いて座の下方にあって、光害やモヤのためになかなかはっきりとは見られない「南のかんむり座」がホンモノの?かんむり座よりもくっきり見えます。
そんな豪奢な星空を、ogawa嬢と二人、しばらく言葉もないまま見上げました。
つい先ほど、レストラン前のホワイトボードに貼り出された天気図を見てしょぼくれていた気分はどこへやら、船が向かっている南の空が晴れているのですから、明日の日食当日も、晴れる期待が俄然、高まってきました。
ずっと星を見ていたかったのですが、明日はいよいよ本番。
後ろ髪を引かれる思いで部屋に戻りました。
写真:書き込み自由のホワイトボード・船首甲板から見たブリッジ・南海の夕焼け

コメント
こんにちは。
いつも大変お世話になります。
船旅は色々不便なところがありますね。それにD社のF携帯は街しか、使えませんからネ!山や船は最悪でただの遊び道具に過ぎませんよね。天気!自然現象はどうにもなりませんよ。竜巻!曇!予測がほとんど難しいですからね。
P.S.
先日はお忙しい中、企画展を見学させて頂き有難うございました。実はホーキングN博士とは2.3日前からお話をしてありましたが、博士の研究の都合が...!でしたしちょっとまっちゃんビックリさせよう!と思いまして。
お忙しい中に有難うございました。
干場 一志
Posted by: 干場 一志 | 2009年07月31日 10:53
干場さん、こんにちは。
昨日はありがとうございました。
早速、ホーキングN博士のホームページ、見ました。変わらぬイラストタッチに感動しました。
博士によろしくお伝えください。
船での携帯ですが、中継局がないので、メーカー問わず使用不可です。
父島ではdocomoのみ使用可でしたので、docomo利用者の私は、父島からあちこちに連絡をとることができました。
Posted by: まっちゃん | 2009年07月31日 11:25
こんにちは。
船内でのネット環境は、きっとお金と根性さえあれば何とかなりますよ(笑)
私はワケあって衛星携帯電話を借りて持って行きましたが、
上海組や屋久島組と情報交換したり、
父からの爆笑激励メールを受け取ったりしました。
この時代、他と連絡が取れない状態というのを楽しむのも船旅ならではですよ。
21日の夜の星空、きれいでしたね。
さそり座が見上げないとみられないくらい高いし、
アンタレスが木星のような輝きを…これぞ、本当の「アンタ、誰デス?」状態。
流れ星もたくさんみましたね。流星痕も久々にみました。
あの時、船内にいた私をわざわざ呼びに来てくださって、
そして甲板へ連れて行ってくださり、ありがとうございました!
21日も日が暮れるまで雲ばかりでしたので、
あの星空をみて、私も勇気づけられました。
Posted by: K.Ogawa | 2009年07月31日 13:01
ogawaさん、こんばんは。
そうですね。ogawaさん持参の衛星携帯は活躍しましたねー。
お父様からのメールは、悪天候が続く中、一服の清涼剤でした(笑)。
考えてみれば、ラジオを持参すれば良かったんですね。
海の上でも普通の中波放送なら聞くことができます。(FMはダメですが)
天気予報や他の地域のようすなどの情報は仕入れることができたはず。
これからの船旅には、ちっちゃなラジオを持って行こう!
星空は、21日がいちばん綺麗だった気がします。
まあ、急に晴れたことによる感激もありますが、ビュービュー風が吹きつける真っ暗な船首で見上げた、異様なほど鮮やかな南天の天の川は、一生脳裏に残るだろうと思います。
その後の観望会も綺麗な星空でしたが、21日の星空は、強風と闇、頬をたたく潮の香りと相まって、一種凄絶な美しさで強く心に刻まれています。
Posted by: まっちゃん | 2009年07月31日 19:40