« 快晴の皆既日食!小笠原の空にコロナは輝く | メイン | 快晴の皆既日食!アクシデント編 »

2009年07月27日

●快晴の皆既日食!撮影機材編

今回の日食で、いちばん迷ったのが撮影機材の選択でした。
場所がたとえ海外のどんな僻地であっても、しっかりとした大地の上での撮影ならば、手持ちの赤道儀に適当な鏡筒を載せれば、まず失敗のない写真が撮れます。
でも今回は揺れる上に、位置が刻々と変化する船上からの撮影。
赤道儀を持参しても極軸が合わせられず、重いだけで意味がありません。
家にある経緯台に手持ちの8cmED屈折を載せるか、あるいは部分食は撮らないことにしてファミスコで撮ろうかと思ったのですが、8cm屈折は焦点距離がやや長いしちょっと重い。ファミスコでは強度的に心もとないし焦点距離が400mmでやや短い。
いっそ、300mm望遠レンズで撮ろうかとも思ったものの、手軽に撮れる半面、拡大率が不足します。
直前まであれこれ考えた結果、選択したのがこの機材。

FC60.jpg

知る人ぞ知る、タカハシのTeegul60=FC60です。
口径60mm、焦点距離500mmのフローライト。
分解能も像の大きさも申し分ない。しかも三脚・架台と一体でフリーストップ。
軽い。ちゃんと微動もついている。携帯用の専用バッグもある・・・。
これ、完璧です。
でもなんだかヘンですね。鏡筒の下にどう見てもペットボトルとしか思えないモノがついている・・・。アレは何だ?

見たとおりペットボトルです。中には水が入っています。
実はこれ、バランスウェイトなんです。
Teegulはフリーストップなのは良いのですが、カメラを接眼部に取りつけるとその重みで角度によっては接眼部が勝手に下がってしまう可能性があります。
それを防止するために、水を入れたペットボトルをビニール紐でぐるぐるに縛りつけました。
ペットボトルは同室のogawa嬢が飲み終えたものを貰いうけ、部屋の蛇口から水を入れた現地調達品。
ベテランの方は、撮影や観測の際、ドイツ式赤道儀のウェイトがわりに双眼鏡や砂袋をウェイト軸にぶら下げた経験がおありだと思います。それと同じ発想です。

fujimaru.jpg

なんだか貧乏臭くなったTeegulにEOS Kiss DXを取りつけ、前日に厚紙で作った特製アストロソーラーシート減光フィルターを筒先に被せれば、もう完璧。
部分食のあいだはフィルターを被せておき、皆既になったらサッと外せばコロナが撮影できる。ピントはもちろん食の開始前に合わせておく。
まったく破綻はありません。
500mmという焦点距離なので、船の揺れが大きいと視野に太陽をとらえておくの難しい可能性もありましたが、うねりの原因となる台風はないし、太平洋高気圧の真ん中近くできっと海面はべた凪ぎだろうと予測し、勇躍、船上の人となったわけなのです。

でも、何が起こるかわからないのが天体撮影。
よくあるのが、レリーズや記録メディアを忘れた!というミスなので、持ち物はしっかりチェック。
うん。やっぱり完璧だ。
よほどの予期せぬトラブルがない限り、きっとうまく撮れるだろう。
日食開始の直前まで、南洋の日ざしが照りつける甲板上で、私は実に気楽でした。
しごくのんびりとくつろいでいる私を見て、撮影の最終チェックに余念がないogawa嬢は「初めてとは思えませんね。余裕ですね」と、感心するやら呆れるやら。

でもでも、肝心なときに限って起こるのが予期せぬトラブルです。
食が始まってすぐ、私は青くなることになります。
撮影を諦めて、眼視だけで見ることにしようかと思わせられたほどのトラブルが起こってしまったのです・・・。

写真:Teegul60・姫路港出航前の「ふじ丸」


トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://at-h.net/~has/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/620

コメント

こんにちは。
いつもお世話になります。
珍しい天文現象の時って結構、観測用機材!どれで行くか迷うんですよネ!
私は結局投影版も完成せず(サボッてしまった自分が悪いのですが!)、眼視のみになりました。撮影もしたのですが写ってるのか...?FL70Sでも持ってきゃあ良かったかなあ?後悔の連発です!
干場 一志

こんにちは。

うん、あのバッグを見たとき、あんな良いものが入っているようには、見えなかったっす。
微動がつくと重くなることが多いですが、コレは本当によかったですね。

バランスウェイトは、今回の旅の中の面白話のひとつですね!
お役に立てて嬉しいです。
この先も面白話があることを期待します。

余裕のまっちゃんの様子も、私の解説入りで録画させていただいてます!ふふふ。
私はあの時、部分を5分おきに撮り、適当にピンホール撮ったり、気温を測ったり、
あと何やったかな…あ、みんなの撮影風景も録画してた。全部解説付き。
とにかく、忙しかったっ!
けど、あわててはいなかったです。
本当に2回目か?というくらい自分の中では落ち着いていましたよ。

私も予期せぬトラブルが2つ。
本当に何が起こるかわかりませんねえ。

干場さん、こんにちは。

眼視で見るのがいちばんと思いますヨ。
私も部分食は、数枚写しただけであとは眼視で見てました。
たくさんの人が集まる観察会では、周囲の人のようすも面白いものです。
西美濃天文台に集まった人たちはどうでしたか。
日食の進行につれ、何か反応があったでしょうか。


Ogawaさん、こんにちは。

望遠鏡入りのバッグ、軽いとはいってもそれなりに重かった!
いちばん辛かったのが帰りのバス停までと駅構内。
特にバス停までは雨が降ってたでしょ。手は二本しかないし、荷物は傘を含めて6つ持ってたし・・・。

Ogawaさんの機材や撮影計画、それから二回目とは思えない落ち着きぶり。さすがだと思いましたヨ。
ころんとこけたのがご愛嬌でした。

それにしても二人の格好、怪しかったね。
あんな二人組が道を歩いていたら、私は絶対に身を隠します。

昨日は職場に日食の写真を展示しました。
お客さんや役場の職員にも大好評で、「きれい!」「私も見たい!」との反応しきりでした。
アクアマリンの「太陽の翼」を聴きながら画像を見ると、グッとくるモノがありますぜ。

松本 様
返信頂き有難うございます。
西美濃天文台では、親子連れ、祖父母と孫さんが感激しておりましたネ!
それに、曇の隙間から見えた日食に子供たちが“見えた!見えた!”と言って騒いでましたら。
↑これは良い意味ですヨ!
トラブルといいますか、アクシデントもありましたが、まあフフフ!的なことです。

干場 一志

こんにちは。
そんなに重かったんですか。分かんなかった…
そーいえば私、一度もあのバッグを持ちあげてないや(^^)
キャリーカートでもあれば、もすこし楽だったかも?

こけましたよねー、私(笑)
しっかりビデオには「ガタタッ!」という音と画面のブレと、
まっちゃんの「大丈夫!?」という声が入っていた。
あんなときに心配してくださり、ありがとうございました。
ほんま、余裕やなー。

二人の格好、怪しかったですね。
でもおかげさまで、4時間炎天下にいて、一度も日陰に入らなかったけど、
暑さも日差しもなんのその、へっちゃらでしたよ。

日食の写真の展示ですか。それは見に行かなければ!
あ、8月1日に見られるんですよね。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)