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2009年03月21日

●1年ぶりの彗星捜索

昨夜はよく晴れていましたので、藤橋まで15センチ双眼鏡と共に出かけました。
南西の空が開けた某所に双眼鏡を設置し、山の稜線の上から水平捜索を始めます。
捜索をするのは実に1年ぶり以上です。このところ公私共に恐ろしく多忙で、星を見る余裕がほとんどなかったのです。

視野の中を静かに動いてゆく微星を見つめるうち、心が次第に澄んでゆくのを感じます。
シンチレーションで瞬く星のひとつひとつが、ひどく懐かしい気がします。

「いまどき眼視で彗星捜索なんて・・・」と思われそうですね。
「彗星はもうアマチュアには見つからないよ。大望遠鏡によるサーベイですべて発見される時代だよ」
「真天体を見つけたいのなら彗星じゃなくて新星か超新星の方がまだ可能性があるよ」
こう思われた方、正しいです。確かに眼視による彗星発見はよほどの奇跡でも起こらない限りまず不可能になってしまいました。
でも私は、眼視にこだわりたいのです。もちろん、彗星は見つけづらいから新星や超新星に転向などというポリシーのないことはしたくありません。
というわけで、いささか時代遅れかもしれませんが、自分の目だけを頼りに、ふたたび彗星捜索を再開したわけなのです。

うさぎ座の球状星団M79をとらえ、視野は、おおいぬ座からさらに南へと進みます。
おおいぬ座、とも座付近は散開星団や小さな散光星雲の多いところで、視野を動かすたび、さまざまな姿をした星雲星団が入ってきます。
とも座のゼータ星付近に見慣れた星団が入ってきました。NGC2477、私が生まれた晩、関勉さんが、この星団のすぐ近傍に「関・ラインズ彗星」を発見しています。この星域に限らず、かつて新彗星が発見された星域に視野が向くと、なぜ知らず緊張してしまいます。
この星団の北には、8等星を囲むようにぼんやり滲んだNGC2467。誰も知らないごく小さな散光星雲です。
さらに視野を進めると、おおいぬ座タウ星を取り囲む小さな散開星団NGC2362が入ってきました。繊細かつあでやかなこの星団は、私の好きな天体の一つです。

1時間ほどの捜索を終えると、オリオン座がだいぶ西へ傾いていました。
東の空には、しし座が高くかかり、「もう春なのだな」と思いながら双眼鏡を片付けました。

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