●童話「流れ星のおつかい」2
しばらく当てずっぽうにさまよっていた子どもの流れ星は、向こうから、きらきら白く輝く金星がやってくるのを見つけました。
「金星さん。すばる星の家へはどう行ったらいいのですか」
できるだけていねいに聞いたつもりでしたが、金星は、ツン、とすました顔で、
「すばる星? 知らないわ。それより私、お化粧中なの。きれいなお肌を守らなくちゃ」
子どもの流れ星の顔など見もしないで、コンパクトをのぞきこんでいます。
(ああ、困ったなあ。どっちに行ったらいいんだろう)
だいぶ不安になってきたとき、大きな輪っかのついた帽子をかぶった土星が寝そべっているのに出会いました。
「土星さん、すばる星のところへはどう行ったらいいの」
細い目で子どもの流れ星を見ながら、土星は大きなあくびをしました。
「そんなのボク、知らないもんね。それより眠くてたまらない」
ほんとうに眠かったらしく、土星はその場でぐーぐー眠りこんでしまいました。
さあ、困りました。誰もすばる星の家を知りません。
そんなとき、宇宙のかなたから、すばらしいスピードでぐんぐん近づいてくるものを見つけました。
「どいたどいた。おいらは忙しいんでえ。邪魔するんじゃねえよ」
わめきながら近づいてきたのは、ほうき星でした。長いしっぽをひきずって、宇宙のあちこちを走り回っている変わった星です。
(ほうき星なら知っているかもしれない)
子どもの流れ星は、急いでほうき星の前に両手を広げて飛び出しました。
「忙しいところすみません。ちょっと教えてほしいんですが」
あやうくぶつかりそうになって、やっと止まったほうき星は、
「あぶねえじゃねえか」
大声でどなりました。
「ほうき星さん。宇宙を走り回っているあなたなら知っていると思うんですが、すばる星の家へはどう行ったらいいのですか」
子どもの流れ星が聞きますと、
「なにい? すばる星だ? どっかで会った気もするが・・・。いや、おいらも忙しいんでえ。他人にかまってるひまはねえ。どいたどいた。どかねえとけたおすぞ」
早口でそう言うやいなや、長いしっぽをひいたほうき星は、宇宙のかなたへ、たちまち走りさってしまいました。 (続く)
絵:ひめねずみ
