先日、愛知県の天文台に勤める小学生時代からの旧い友人から久々に電話がありました。
いつものようにあれこれとりとめのないことを話すうち「最近、捜索、やってる?」という話題になりました。
これはいつものことで、彼も私も、いわゆる「コメット・ハンター」なのです。お互いに中学生の頃から続けていますから、もうウン十年になるでしょうか。
新天体の発見は、アマチュア天文家にとって非常に魅力ある観測分野です。
特に日本ではアマチュアによる新天体捜索が盛んで、彗星、小惑星、超新星、新星など多くの分野でたくさんの発見がなされてきました。
1980年代頃までは彗星の捜索が非常に盛んだったのですが、最近は傾向が変わり、新星を探す人が多くなっています。
というのは、かつて小望遠鏡でも努力を傾ければ発見が可能だった彗星が、天文台の大望遠鏡によってまだ地球から遠く暗いうちから発見されてしまうようになり、アマチュアによる発見の機会が皆無と言って良いほど激減してしまったからなのです。
「でもさ、俺たちはやっぱり彗星だよな」
私たちはそんな話をしました。
「新星の方が見つけやすいことはわかってるんだけどさ、ほら、新星って、結局ただの星でしょ。明るくなっても肉眼で見えるか見えないか程度だしさ、しっぽもないし」
「そうそう、いくら明るくなっても点像の星だもんね」
「それに比べると彗星は」
「尾がある。自分の名前がつく。大彗星になればそれこそ自分の業績が歴史に残る」
「やっぱさ、理想のパターンってこういうのじゃない? 晩秋の明け方に発見した10等の新彗星。軌道が計算されると地球と太陽に猛烈に接近してマイナス等級になることがわかった。地球に近づくのは3月の夕空。で、その彗星は確実に明るくなり、天文界のみならず一般peopleも巻き込んで世間は彗星一色」
「そうこうするうちにいよいよ地球に再接近、長い曇り空がようやく晴れた弥生の夕空に長さ60度に及ぶ長大な尾をひいた自分の彗星が・・・」
「光度は予想を上回るマイナス4等」
「うおーっ!」
夢ですねー。いわゆる男のロマンってやつですねー。
「見つかる確率はゼロに近いかもしれないけどさ、やっぱり男は彗星だよ」
「んだんだ」
てなわけで、いつもの馬鹿話は延々と続くのでした。
でも、ここ1年ほど、彗星捜索、してないんですよね。身辺にいろいろとあって、肉体的にも精神的にも余裕がない。15cm双眼鏡がかわいそう。
ようやく身辺も少し落ち着いてきたので、捜索を再開するつもりです。
がんばろう!