●初めての流星写真
天体写真のなかで、流星は撮影が難しい対象のひとつです。
とはいっても、撮影方法は簡単。明るいレンズをつけたカメラを夜空に向けておくだけ。
固定撮影でもかまいません。明るい流星が写野を横切ってくれれば誰でも写すことができます。
問題は「明るい流星が写野を横切ってくれる」かどうかです。
広い夜空のどこに、そしていつ、流星が出現するかは神のみぞ知ること。狭い写野を明るい流星が横切ってくれる確率はかなり小さく、大きな流星群のときでも1時間に数個の流星が写るかどうかという成功率です。
フィルムカメラからデジカメに変わり、画像処理技術が格段に進歩した今日でも、その点は変わりません。流星撮影は「運」に大きく左右されるのです。
私が初めて撮影した流星がこの写真。
当時、私は中学1年生でした。家にあった古いカメラにASA100のフィルムを詰めて、現像は近所のカメラ屋さんに頼みました。
矢印で示さないとわからないぐらいのうっすらとした流星ですが、眼視では-2等級で痕を残す立派なものでした。それだけに、写真が出来上がってきたときにまず思ったのは、流星というものは実に写らないものだということでした。
明るい流星であっても、光っている時間が1秒に満たないほど短いために、フィルムなりCCDの上に光を蓄積できないのです。その意味では、明るくてゆっくりした流星ほど、見映えがする写り方をします。
F3.5程度の暗いレンズにASA100のフィルム、しかもカメラ屋さん任せの普通現像ではこれだけ写っただけでも奇跡的なことでした。
何も情報のない当時の私は、天体写真というものは強力な現像剤を使用して増感現像をするということすら知らなかったのです。
それから幾星霜、ずいぶんたくさんの流星写真を撮影してきましたが、今も流星が写しづらい対象であることには変わりありません。
2001年の「しし座流星雨」ぐらい出現してくれれば、誰でも苦労せずにたくさんの流星が撮影できるのですが・・・。
