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2008年10月09日

●詩「距離」

波打ち際
細い裸身をシルエットにして
一人の少女が歩いている

黄昏の風が流れ
群青に染まる空
水平線からいつか
巨大な銀河が昇り始め
肌を打つ宇宙線と
重力波のざわめきの中で
銀河の輝きは
いっそう壮麗に冴え渡り

少女の髪を靡かせるのは
素粒子の風
訊ねなければならないことがこんなにあるのに
少女にいつまでも追いつけない

少女の白い肌が
いつかうす青く染まり
やがて
輪郭だけを残して異星の星空へ溶けてゆく

それなのに
僕はまだ地球にいて
時空の冷徹さを悔やみながら

少女に何を訊ねるべきなのか
ここ何億年かの自問を
再び反芻し続けてゆくのだろう

*銀河系の外縁にある惑星に海があるとすれば、地球で天の川が東から昇ってくるように、巨大な渦を巻いた銀河系が水平線から昇ってくるようすが見られることでしょう。
どこにあるとも知れないそんな惑星の渚を、圧倒的な寂寥に身を任せて、ただ一人歩いてみたいと思います。

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