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2008年03月22日

●国立天文台見学記(後編)

 さらに奥へ進む。木々の間から巨大なドームが覗いている。高さ19.5m、ドーム径15m、1926年建設のこの建物こそ、天文台のシンボルともいうべき65cm屈折望遠鏡を納める大ドームだ。

65dome1.JPG

 ドーム内に入れば、頭上を圧して65cm屈折望遠鏡がそびえている。わが国最大の屈折望遠鏡であり、1998年まで位置観測を主に行ってきた。焦点距離1021cm(1000mmではない)、ドイツ式赤道儀に支えられたその姿は重厚な機能美にあふれ、屈折望遠鏡とはこうでなくてはいけないと思わせられる威容である。
 後ろ髪を引かれる思いで、パンフレットに従い、次の見学地の「展示室」へ。
 さほど広くはない部屋に、すばる望遠鏡をはじめ国立天文台が取りくんでいるプロジェクトの数々が体験型の模型で紹介されている。これまでたどってきた重厚な天文台の歴史とは一転した最先端の観測や研究装置の数々に、目を見張らされる思いがする。
 1930年建設の旧図書館の横を通り過ぎ、明るい芝生の道をたどれば、外観のみ見学できるレプソルド子午儀室。1925年建設のこの子午儀を使って惑星や小惑星の位置観測が行われてきた。
 芝生を踏んで1924年建設のゴーチェ子午環へ。眼視による位置観測を引き継いで、CCDカメラによる精密な観測が行われてきた施設である。
 その先には、1982年建設の自動光電子午環が銀色の近代的な外観で鎮座している。建物の左右にはすりばち状の窪地が対称に掘られており、窪地の中心の建物に納められた光源から光を発して、望遠鏡の光軸位置とたわみを精密に検出することができたそうだ。
 芝生エリアには新旧3基の子午儀が並んでいるわけで、わが国の天体観測の主要な目的が、天体の精測位置観測であったことがうかがわれる。現在のような物理観測が主流になったのは、実はごく最近のことなのである。

 一般見学者が入場可能なエリアはここまで。毎月2回の公開観望会が行なわれる50cm望遠鏡もふだんは公開されていない。いずれ、夜の観望会も一般市民として参加してみたいと思う。
 とはいえ、これだけでも十二分に天文台の、というより日本天文学の歴史と栄光を堪能できる。
 ことさらに「見学」などと力むこともない。武蔵野の緑と静寂の中に身を置くだけでも心が安らぐはずである。天文ファンならずとも一度は見学されることを強くお勧めする。

写真:65cm屈折望遠鏡のドーム
 

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コメント

10年ほど前、ちょうど50cm望遠鏡が完成した年だったと思います。秋の一般公開日に行たことがあります。朝から1日かけても回りきれなかったと記憶しています。65cm屈折には圧倒されました。確かその年で現役は引退するとの説明を受けた記憶がありますが、まだ稼働しているのでしょうか。

furukawaさん、こんばんは。
65cm屈折ですが、1998年で引退したとのことでした。
一度、覗いてみたかったのですが・・・。

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