●年末年始に読んだ本から
今日は、年末年始に読んだ本をご紹介。
相変わらずジャンルがバラバラですが・・・。
1.「うみのふた」 よしもとばなな
故郷の海辺でかき氷屋を始めた「私」と、ふとした縁でかき氷屋を手伝うことになった少女の交流を描く。
作者独特の、諦観の上に未来へとつながる切なさをさりげなくまとめた佳作。
2.「森を守れ」が森を殺す 田中淳夫
林学を学んだ著者が、巷間で流布されている森林保護や環境政策に関する学問的裏づけを検証し、本当の自然保護とはどうあるべきかを語る。現在はフリーのライターだが、緻密な取材に基づいた文章は浮ついた箇所がない。
3.「野仏の見方」 外山晴彦
地蔵や庚申等、道祖神といった路傍の仏の系統を明らかにし、そうした石像物にこめられた日本人の心の襞に触れる。写真主体で気軽に読める本。
4.「ママさまは不思議の人」 斎藤茂太
斎藤茂吉の妻であり、世界中を旅する「快妻オバチャマ」としても名高かった斎藤輝子氏の自由闊達かつ奇行に溢れた生涯を、茂吉・輝子の長男が、精神科医としての考察を交えながら綴っている。弟の斎藤宗吉(北 杜夫)や輝子の父の紀一も含めて、斎藤家の才気溢れる躁鬱気質ともいうべき血筋が読み取れる。
5.「ヴェイスの盲点」「アンクスの海賊」 野尻抱介
「ロケットガール」シリーズや「太陽の簒奪者」等、リアリティ溢れるハードSFの旗手である著者の初期SF連作「クレギオンシリーズ」の2作品。
スペースオペラ的要素もふんだんに交え楽しませながらも、作中に出てくるさまざまな技術は現在の科学の延長線上にあるところが天文ファンにはたまらない。
6.「永遠の出口」 森 絵都
児童文学の賞を片端からもぎとってきた著者が、一人の少女の小学生から高校卒業に至るさまざまな事件や人との触れ合いを、時にユーモアを交えて語りつつ、現代に生きる「ふつうの女の子」の揺れ動く心や家族との距離感を鮮やかに描き出す。
7.「永遠の緑色」 片岡義男
片岡義男と聞いて、ただおしゃれな小説を思い浮かべた方は、ちょっと認識不足。
現代の片岡義男は、辛口の環境保護論者として名高い。そんな著者が、絶滅危惧種や世界の環境破壊を危機感と絶望感を込めて論じた恐ろしく真面目な著書である。この本を読むと、かつての「おしゃれな」小説も、その根底には、自然環境への深い造詣と愛情が隠されていることがよくわかる。
8.故郷(ふるさと)の再生の道 野添憲治
急速に過疎化と高齢化、そして荒廃が進行する農山村の実態をレポートしながら、農林業の前途を憂慮し、農山村の復興の道を模索する。
人口450人の旧藤橋村に10年在住し、現在も同地に勤務する私にとって、身につまされる報告事例ばかりであり、歪んだ成長を遂げてきた日本の将来を憂慮したくなる。
この他にもたくさん読んだのですが、長くなるのでこの辺で。
読書は楽しいですよね。
でも、今夜は「のだめカンタービレ」を見ていたので、本を読む時間がありませんでした。むむ。
