●スリットから見上げる星空
天文台で観測するときは、当り前のことですが、狭いスリットから星空を見上げることになります。
私は、基本的には満天の星空に身をさらして星を見ることが好きで、もし自宅に天文台を作るとすれば、スライディングルーフがいいなあと常々、思っています。
星を見るという行為は、単に学術的なデータや画像を取得することだけではなく、その晩の季節感や風の匂いを感じ取りながら、5感のすべてを使って自然との対話をすることにあると思うからです。
その意味では、天文台での観測は直接風に身をさらすこともなく、周囲の木や草や土の匂いからも遠く、感性を刺激する要素には乏しいのですが、スリット越しの星空には、なぜか心をとらえる何かを感じます。
宇宙の覗き窓、とでも言えばいいかもしれません。
巨大な望遠鏡やコンピューターが構成する、ある意味では実用一点張りのドーム内部と、スリットの向うに広がる世俗的な実利や目的論とは無縁の果て遠き宇宙空間。
ドーム越しの星空を魅力的に見せているのは、両者が醸し出す冷たく無機的なギャップです。季節感や風の匂いと物理的に遮断された空間であるだけに、ことさら宇宙への距離感や憧憬を感じてしまうのです。

コメント
この写真いいですね。ドームの中の寒さが感じられます。
Posted by: おおの | 2007年02月13日 21:15
はい、寒かったですヨ。ドームの中でも0度ぐらいだったのではないでしょうか。
カメラがEOS kissD IR改造品だったので、望遠鏡のライティングに苦労しました。ふつうの白色光でも赤っぽく発色してしまうので。実はこの画像を得る前、発色がイマイチだったので2回、同じ構図で撮っています。
Posted by: まっちゃん | 2007年02月14日 21:20