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2006年09月08日

●冠山地形地質考

揖斐川町藤橋の北端、岐阜県と福井県境にそびえる冠山は、烏帽子形の特異な山容で知られています。標高は1257メートルとさほど高くありませんが、ブナの原生林を縫う登山道や山頂直下のお花畑には高山の趣が漂い、山頂から俯瞰する県境の山並は壮観の一言です。

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山頂へは峠から二時間弱、尾根伝いの平坦な道をたどります。やがて冠平と名づけられる広いお花畑へたどり着けば、天に向かって槍を突き立てたような山頂が、すぐ目の前にそびえています。ここからは、少しばかりスリルが味わえる岩登り。それまでの道のりがなだらかだっただけに、山頂付近の急傾斜に驚かされます。

冠山を含めた越美山地は、国内でも有数の隆起が盛んな地域ですが、大昔には隆起活動が止まった時期があることが知られています。隆起が止まり、もっとも侵食が進んだ時代の準平原面が冠平、侵食に耐えて残った岩峰が冠山頂というわけです。その後、隆起活動が再開したために、冠平と山頂はそのまま持上げられ、現在の標高になりました。ちなみに冠山山頂付近は、チャートという非常に硬い岩石でできています。

冠平からは、縄文時代の石器が出土しています。とはいえ、縄文人が冠平に住んでいたわけではなく、どうやら尾根道を歩いていた縄文人が、うっかり落としていったらしいのです。冠山を含む県境の尾根道は、大昔から人々が往来した道だったのです。

(月刊「西美濃わが街」2004年7月号掲載)

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