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2006年08月31日

●徳山ダム試験湛水

徳山ダムの工事がほぼ完成し、試験湛水が9月25日から始まるとのことです。

徳山ダムは国内最大の多機能ダムとして計画され、旧藤橋村よりさらに福井県側にあった旧徳山村の全住民を移住させ、種々の反対運動を巻き起こしながら営々と建設が進められてきました。
総事業費は最終的に約3353億円となる見込みで、わが国の財政状況が悪化し公共事業が次々と廃止・縮小されるなかでも、毎年ほぼ満額の予算が認められてきたのです。

muda1.jpg

このダムは、私の勤める西美濃プラネタリウム・西美濃天文台がある旧藤橋村地内に建設が進んでいることから、旧藤橋村は過去30年の間、ダム工事に翻弄されてきたといっても過言ではありません。
私が旧藤橋村へ移住してきた頃には工事が本格的に進められるようになり、現在でも、プラネタリウムや天文台の周囲はダム工事用の宿舎や事務所でいっぱいです。また、ダム工事に絡んで良きにつけ悪しきにつけさまざまなマスコミが取材に訪れ、そのあおりを受けて西美濃プラネタリウムも「ダム工事の補助金で作られた」とか「旧藤橋村の住民は、一人あたりいくらの交付金を現金で支給された」などといった根も葉もない報道が全国ネットで流されたりもしました。その意味では、ダム建設の是非はともかくとして今回の湛水試験開始の報道は、田舎移住者の私としては、ひとつのエポックとなる出来事には
違いないものです。

ダム工事が本格化する以前には、旧徳山村の風物を調査したり撮影するために足しげく現地を訪れたものですが、湛水試験が始まればそれもできなくなります。
慣れ親しんだ揖斐川上流の美しい景色、そしてそこに住む多くの生き物の生息場所が永遠に失われると思うと、ダムという壮大な自然破壊に対してやはり疑問を感じざるを得ません。

いずれにしても、後戻りはできなくなりました。
湛水が始まる前に、皆さんもぜひ一度、徳山の姿を見てください。国策のために無念の思いで故郷を離れた旧徳山村民の、そして、冷たい水に浸かって死んでゆく木や草、動物や昆虫の無言の声に耳を傾けていただければと思います。

写真:ほぼ完成した徳山ダム(2006年7月撮影)

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