●プラネタリウムは世相を映す
プラネタリウムというと、何となく世間一般の流れからは切り離された空間であるように思えます。
とはいえ、長年この仕事をしていると、プラネタリウムといえども、実は世相を敏感に反映していることがわかってきました。
私が勤め始めた当時は、バブルが弾けて間もない頃で、ブランド品に身を包んだお姉さんや、何人もの外国人女性を連れた社長さん風のおじさんが頻繁に来館されました。
平成7~8年頃になるとそうしたお客さんは少なくなり、家族連れの姿も減りました。
かわりに増えたのが、若いカップルです。当時は、満席のお客さんのほとんどが二人連れということもありました。
困ったお客さんが増えたのもこの頃です。当時、徳山ダムの工事を攻撃する論調が盛んになり、ダムとはまったく無関係の西美濃プラネタリウムもダムからの補償金で作られたという報道が、一部の企画・取材能力のないマスコミから流れたことから、興味本位のお客さんが激増したのです。
「ダム工事で村は大儲けなんやろ」とか「村民一人あたりいくら貰っとるんや」など、週刊誌やテレビのワイドショーで仕入れたいい加減なネタを元に嫌味を言いに来るこうしたお客さんには本当に困りました。
きちんと説明をし、多くの方は誤解と偏見だったことを納得されてお帰りになるのですが、楽しからざる経験ではありました。
最近は、一時減少した家族連れが最も多い客層です。それも、礼儀正しく睦まじい家族が多く、応対するこちらも気持が良くなります。
また、ある意味では上記と対極なのですが、どう見てもご夫婦とは思えない中年カップルが増えてきました。
バブルに浮かれた時期、経済が縮小し家族の大切さが再認識された時期、そしてさまざまな意味でモラルが流動化しつつある現在。
プラネタリウムは、たしかに世相を映しているようです。
そして、いつの時代も減らないのが若い二人連れ。
デートコースとして、プラネタリウムは、やはり定番なのでしょう。
